リト@葉っぱ切り絵展 ~葉と森をめぐる小さな旅~
企画展
リト@葉っぱ切り絵展
~葉と森をめぐる小さな旅~
2026年3月28日(土)~6月21日(日)まで

ギャラリートーク
作家ご本人によるギャラリートークを開催します。展示のことや制作秘話などお話していただきます。
※今回のギャラリートーク及びサイン会は抽選になる場合がございます。
今後こちらのページで告知致しますのでご確認ください。
◯3月28日(土)
ギャラリートーク10:30~ サイン会①11:00~ ②13:00~
◯6月 6日(土)
ギャラリートーク10:30~ サイン会①11:00~ ②13:00~
館長あいさつ
この度、富士川・切り絵の森美術館では、企画展「リト@葉っぱ切り絵展 ~葉と森をめぐる小さな旅~」を開催する運びとなりました。
切り絵といえば紙を思い浮かべますが、本展の主役は「葉」です。一枚の葉がもつ葉脈、輪郭、透け感…。それらが線となり、陰影となり、ときに地形のように働き、私たちを小さくも大きな世界へ導きます。葉の形そのものを「舞台」に見立て、その上に大地があり、命があり、空や森や街を表現するその発想は、驚くほど緻密で、同時に深い物語をたたえています。
リト氏は 1986 年神奈川県に生まれ、自身の特性と向き合いながら、その集中力やこだわりを創作の力へと変え、2020 年より独学で葉っぱ切り絵の制作を始めました。SNSへの継続的な発表は国内外で大きな反響を呼び、テレビや新聞など、さまざまなメディアでも紹介されてきました。作品集『いつでも君のそばにいる 小さなちいさな優しい世界』『葉っぱ切り絵いきものずかん』などを通して、葉の上に息づく“やさしい世界”が多くの人の心に静かな感動を残しています。2024 年には個人美術館「LITO LEAF ART MUSEUM FUKUSHIMA」も開館し、表現はさらに大きく広がり続けています。本展では、動物や人物、風景がワンシーンの物語として成立する作品構成にもご注目ください。
極細で高密度、抜きの美しさが際立つ切り口は、「繊細」「精巧」という言葉の先にある、作者の眼差しそのものを感じさせます。近づけば近づくほど、葉脈が線と影の両方として働き、作品が“平面”ではなく“奥行き”として迫ってくるのが分かります。さらにリト氏の表現は、作品を手に持ち実景にかざして撮影する“写真表現”へと広がります。空や森を背景に葉を掲げた瞬間、スケール感は反転し、掌の上の小宇宙が現実の風景と響き合います。展示室では、原画の緻密さに目を凝らし、次に写真表現の一枚で深呼吸する…。そんな往復が、作品の魅力をさらに深めて、その本質を感じ取り伝えてくれるでしょう。
葉は儚く、同時に生命の痕跡を宿す存在です。限られた条件の中で、世界を切り出し、残すべき余白を選び取る…。その行為は、私たちの日々にもどこか似ています。どうか本展を、葉と森を通して自然界といのちへと視界がひらく小さな旅として、ゆっくりとご鑑賞ください。
小さな作品の中に、思いがけない広がりと、心をほどく静かなる感動が見つかるはずです。皆さまのご来館を心よりお待ち申し上げます。
令和 8年3月
富士川・切り絵の森美術館 館長
作品のご紹介


神奈川沖浪裏


明日もきっと


